根管治療とは
歯の構造は外側からエナメル質・象牙質・神経となっています。
虫歯等が原因で神経まで細菌が入り込んでしまった場合に必要となってくるのが根管治療です。
根管治療の1番の目的は、神経が通っている管(根管)を細菌が全くいない状態にすることです。
ただ、神経の通り道(根管)は人によって、歯によって本数が異なる上に、曲がっていたり枝分れしていたりと非常に複雑な形態をしています。また、根管自体が0.1mm単位の非常に細い場所である事が多いため、肉眼で確認することが困難です。そこを手探りで治療していく訳ですから、確実な処置がとても難しい治療となります。
根管の中に細菌が残ったまま治療を終えてしまうと、根の先に感染が拡がり膿が溜まってしまったり、病状が進むと歯を抜かなければいけない状態になってしまう事もあります。
当院の根管治療について
こういった難しい治療を、より確実に正確にするために必要なのがCTやマイクロスコープ、ラバーダムといった各種機器や道具になります。CTによって事前に根管の数や走行を確認してから治療に臨み、マイクロスコープで根管の中を確認しながら治療を進め、ラバーダムによって治療中の再感染や使用薬剤がお口の中に漏れてしまう事を防ぎます。
しかし現在の保険治療の制度では、一部の場合を除いて上記機器や道具の使用は認められていません。 また、保険点数の制限(根管治療の診療報酬が米国と比較すると1/7以下)から十分な時間をとってしっかりとした治療を行う事が非常に厳しくなっています。
その結果、日本での根管治療の成功率は他の先進国と比べ著しく低下してしまいました。海外での成功率は70%~90%と言われていますが、日本の保険治療による根管治療成功率は30%~50%という調査結果が出ています。
歯の根というのは家で例えると土台 基礎の部分になります。その状態を疎かなまま、治療を進めていくわけにはいきません。そのため当院では、より良い治療を提供するために自費の根管治療をお勧めさせて頂いています。
治療の流れ
基本的な流れとしては、まずはじめにCT撮影をし、根管の数や走行を確認します。そこから神経が生きている歯の場合は、歯の中の神経を除去、根管治療済みの歯の再治療の場合は詰めてある材料を除去します。
次に根管の中を無菌化していく処置になります。機械で長さを計測しながら、感染物及び感染歯質を除去していきます。
根管内が無菌化できたら、最後に薬剤を詰めて根管治療は終了となります。