歯科疾患の原因として重要な要素は「力」と「炎症」です。
治療においてはこの二つを「コントロール」して、疾患の進行を止め、治療や予防につなげていくことが基本となります。
従来の歯科における2大疾患は「虫歯」と「歯周病」であり、その原因は蓄積したプラークとそれによる「炎症」症状でした。
盛んに対策がとられ、現在ではプラークや歯茎の炎症のないきれいな口腔内をした患者様が増えてきています。
一方、歯や顎にかかる「力」については解明が遅れ、対策が十分にとられていないのが現状です。
口腔内にかかる過剰な「力」のコントロールができていないことで、顎や歯並びのずれが生じます。
さらに顔面や全身の歪みにもつながり、肩こりや頭痛といった口腔外の不調につながることが多く見られています。
もちろん虫歯や歯周病の発症や再発にも無関係ではありません。
不調の原因となりうるよくない「力」の例としては、たとえば以下のようなことがあげられます。
・歯並びにつよい力を与える習慣(横咬みの癖や頬杖・唇やつめや指をかむ習慣など)
・横向き寝やうつぶせ寝、スマホやゲーム時の前傾姿勢などの生活習慣
・全身の筋力不足
いずれも無意識で行っている場合が多く、また長時間にわたることも多く見られます。
患者様自身でも気づかずに行っている癖が思いもかけない不調につながっていることがあります。
不調につながるゆがみの原因をいち早く見抜き、よくない「力」の除去を行って患者様の本来あるべき形態へ戻します。
それにより不調を取り除き、生活機能の回復につなげる役割が「力のコーディネーター」です。
当医院では、この役割を歯科医師・歯科衛生士をはじめ歯科治療にかかわる全員が持ち、よりよい歯科治療のため、さらに幅の広い患者様の悩みに対応できるように、指導をさせて頂く体制をとっております。
歯科医師 木村絹子